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矯正治療で抜歯が必要になる理由とは?抜歯のメリット・デメリットも

こんにちは。名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックです。

矯正治療を検討していて、歯を抜くことに不安を感じる方も少なくありません。「本当に必要なのか」「歯を抜かずに治療ができないのか」といった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

この記事では、矯正治療で抜歯が必要になるケースや、抜歯が不要なケース、歯を抜くメリット・デメリットなどを紹介します。歯の矯正治療を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

矯正治療とは

矯正治療とは、歯並びや噛み合わせの不正を改善し、健康的で美しい口元を実現するための治療方法のことです。ワイヤーやマウスピース型の装置を用いて、少しずつ歯の位置を調整していきます。

矯正治療では、見た目だけでなく、発音や咀嚼機能の改善、歯や顎への負担を軽減といった効果も期待できます。また、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを減らすことにもつながります。

矯正治療は大人から子どもまで、年齢を問わず受けることが可能です。治療期間は1年〜3年程度とされており、症例によってはそれ以上かかることもありますが、計画的に治療を進めれば、将来的に健康な口腔環境を維持できるでしょう。

歯の矯正治療で抜歯をするケース

矯正治療にはマウスピース矯正やワイヤー矯正など、さまざまな方法がありますが、いずれにしても抜歯が必要になるケースがあります。通常の矯正治療に加えて抜歯をすると、治療期間が長引いたり費用がかさんだりするため、必要かどうか、事前に知っておくことが大切です。

矯正治療において抜歯が必要になるケースは、以下の通りです。

重度の虫歯や歯周病があるケース

虫歯や歯周病が重度で、治療しても歯を残すのが難しい場合や、矯正後に口内の健康に悪影響を及ぼす可能性が高い場合は、矯正治療を安全に進めるためにも抜歯を検討します。例えば、歯周病が悪化して歯茎が大きく下がっている場合、歯を適切に支えられないので、矯正治療による圧力で抜け落ちてしまう可能性もあります。

矯正を考えている方は、事前に虫歯や歯周病を治療し、進行している場合は医師と相談したうえで対応していきましょう。

重度の出っ歯や受け口のケース

重度の出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)のケースでは、歯を大きく後ろ(または前)に移動させるために抜歯が必要になることが多いです。特に、顎の骨格的な問題が大きい場合は、抜歯に加えて外科的な手術が必要になることもあります。

歯並びの問題が重度のケース

歯並びの問題が重度で、歯を並べるスペースが大きく足りない場合は抜歯することが多いです。特に、歯がガタガタと重なって生えている叢生(そうせい)と呼ばれる症例では、抜歯をして十分なスペースを確保してから治療を進めたほうが、歯並びが整いやすいです。

歯の矯正治療で抜歯をせずに済むケース

矯正治療を受ける方全員が抜歯するわけではありません。事前の検査で、虫歯や歯周病などの問題がみつからなければ、抜歯せずに矯正治療を受けられることが多いです。

また、歯並びの乱れが軽度で、あまり大きなスペースを必要としない場合も、抜歯は不要でしょう。抜歯によって得られるスペースは1本あたり7mmから10mmほどですが、歯をきれいに並べるために必要なスペースが7mm未満であれば、IPRで対応できる可能性があります。

IPRとは、歯の側面をわずかに削ってスペースを作る処置です。健康な歯を残しながら、矯正治療に必要なスペースを作り出せます。

さらに、歯並びのお悩みがすきっ歯の場合も、抜歯は必要ありません。歯列にもともと歯を移動させるための隙間があるので、新たにスペースを作らずに対応できる可能性が高いでしょう。

矯正治療で抜歯をするメリット

歯を抜くことに対して不安を感じる方は多いですが、矯正治療における抜歯にはメリットがあります。ここでは、矯正治療で抜歯をするメリットについて解説します。

歯並びが整いやすくなる

抜歯によってスペースを作ることで、歯を正しい位置に移動させやすくなります。特に、重度の叢生(そうせい)では、そのまま歯を並べようとしても適切に歯を移動させられず、治療期間が延びたり理想の歯列を実現できなかったりする可能性があります。

スペースが足りないことが原因で歯並びが乱れていても、抜歯をしてスペースを確保すれば、理想の歯列を目指せるようになるでしょう。

後戻りを防ぎやすくなる

矯正治療後に、歯並びが安定せずに再び乱れる現象のことを、後戻りと言います。抜歯をして無理なく歯列を整えれば、後戻りのリスクも抑えられるでしょう。

歯がきれいに並ぶためのスペースがないまま無理に歯を並べると、治療直後は整って見えても、時間の経過とともに元の不均衡な状態に戻りやすくなります。

抜歯によって十分なスペースを作れば、歯の位置を安定させやすくなり、結果として治療後の後戻りを抑える効果が期待できます。

治療計画を立てやすくなる

あらかじめ抜歯によってスペースを確保しておくことで、治療の計画がより立てやすくなります。複雑な歯の移動が必要な症例でも、歯を移動させるための場所をあらかじめ用意しておけば治療がスムーズに進むでしょう。歯科医師も、どのように歯を移動させていくか決定しやすく、治療の進め方が明確になります。

矯正治療で抜歯をするデメリット

矯正治療において抜歯を選択することには、デメリットも存在します。ここでは、矯正治療で抜歯をする際の主なデメリットについて詳しく解説します。

治療期間が長くなる可能性がある

歯の移動を始める前に抜歯をすることが多いですが、抜歯後、すぐに矯正治療に進めるわけではありません。傷口の状態が安定してから矯正治療を行うため、全体的な治療期間が長くなる可能性があります。

また、抜歯によって生じた隙間を埋めるためにはある程度の時間がかかり、これも治療期間に影響します。

抜歯後に痛みや腫れが生じる

抜歯は麻酔下で行われるため、抜歯の処置中に痛みを覚えることは基本的にありません。しかし、抜歯後、麻酔が切れてから痛みや違和感を覚える可能性が高いです。また、患部が腫れたり、熱を持ったりすることもあるでしょう。

痛みや腫れは多くの場合、数日から1週間程度でおさまります。もしも痛みや腫れが長く続く場合は、なんらかのトラブルが起きている可能性があるため、担当の歯科医師に相談し、診てもらうようにしましょう。

歯の本数が減る

当然ですが、抜歯をすると歯の本数が減るため、噛み合わせや咀嚼、発音などに影響が出る可能性もゼロではありません。特に、硬い食べ物が噛みづらくなったり、サ行やタ行などが言いづらくなったりする可能性はあります。

ただし、矯正治療を進めて歯並びが整えば、噛み合わせも改善されていきます。発音や咀嚼への影響もなくなっていくでしょう。

日常生活に制限がかかる

抜歯をした後、数日から1週間程度は食事や生活に配慮が必要です。硬いものを噛むことができなかったり、過度な運動を控えたりする必要があります。

短期間とはいえ、普段の食生活が変更になることでストレスを感じたり、栄養バランスが崩れたりすることもあるかもしれません。

まとめ

この記事では、矯正治療における抜歯の必要性にについて解説してきました。抜歯は決してすべての矯正治療で必要なわけではなく、歯並びの状態や顎の健康、患者さまの希望などによって、行うかどうか決定します。

健康な歯を抜くことに抵抗がある方もいるかもしれませんが、抜歯によって得られるメリットも多いです。

矯正治療を検討されている方は、名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

当院では、患者さまが何を望まれているか、何に悩まれているかを一番に考えて治療を行っています。また、機能面だけでなく、見た目も理想的な口元を目指します。

一般歯科だけでなく、矯正治療やホワイトニング、予防歯科などにも力を入れております。当院のホームページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。