こんにちは。名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックです。
小児矯正は、こどもの歯並びを整える目的で行われます。歯並びが悪いと、噛み合わせが悪くなることや、虫歯や歯周病の原因になることがあるためです。
矯正にはいくつかの方法がありますが、こどものワイヤー矯正は、小児矯正のなかでも代表的な治療法といえるでしょう。
今回は、小児矯正におけるワイヤー矯正のメリットとデメリットについて解説します。また、こどものワイヤー矯正の種類や期間、費用なども詳しく解説しますので、お子さまの歯並びが気になる方は、ぜひ参考にしてください。
小児矯正の種類
小児矯正には1期治療と2期治療があります。
1期治療と2期治療について、以下にそれぞれ解説します。
1期治療
1期治療とは、顎が成長する時期に上下の顎のバランスを整え、永久歯が生えるスペースを確保する治療です。
小児矯正の1期治療では、主に以下の3種類の矯正装置が使われます。
・可撤式矯正装置
・固定式矯正装置
・顎外固定装置
可撤式矯正装置とは、簡単にいうと取り外しが可能な装置のことです。拡大床やムーシールド、インビザライン・ファースト、プレオルソなどが挙げられます。
固定式矯正装置とは、取り外しができない装置のことです。急速拡大装置やリンガルアーチなどが挙げられます。
額外固定装置とは、顎やおでこに固定する装置のことです。上顎前方牽引装置やヘッドギア、チンキャップが挙げられます。
歯科医院によって取り扱っている矯正装置は異なるため、詳しくは歯科医院で確認しましょう。
2期治療
2期治療とは、永久歯が生えそろってから歯並びを整える治療です。
小児矯正の2期治療では、主に以下の2つの矯正装置が使われます。
・ワイヤー矯正
・マウスピース矯正
ワイヤー矯正は、歯にブラケットと呼ばれる金属を取り付け、そこにワイヤーを通して歯並びを整える方法です。ワイヤー矯正にはいくつか種類があるため、このあと詳しく解説します。
マウスピース矯正とは、マウスピースを装着し、定期的に交換しながら歯を動かす方法です。透明なマウスピースを使用するため、目立ちにくいというメリットがあります。
どの矯正装置を使用するかは、歯科医師と相談のうえ決めましょう。
こどものワイヤー矯正のメリット
小児矯正の種類は、先述したとおり1期治療と2期治療でそれぞれ異なります。今回はそのなかでも、こどものワイヤー矯正について解説します。
こどものワイヤー矯正のメリットは、以下のとおりです。
・矯正装置を取り外す必要がない
・さまざまな症例に適応できる
・効率よく歯を移動できる
それぞれ解説します。
矯正装置を取り外す必要がない
ワイヤー矯正の装置は、ご自身で取り外しができません。マウスピース矯正などの取り外しが可能な装置では、装着時間を守る必要があることからも、自己管理が求められます。
取り外しができるとふだんどおりに食事や歯磨きができるといったメリットがありますが、ご自身で管理が難しい場合にはこの点がデメリットになるでしょう。
さまざまな症例に適応できる
ワイヤー矯正は、さまざまな症例に適応できます。抜歯をしなければならないほど歯並びの乱れがひどい場合でも、ワイヤー矯正であれば適応できるケースが多いでしょう。
効率よく歯を移動できる
ワイヤー矯正は細かな調整がしやすく、可動域も広いため、効率よく歯を移動できます。固定式で取り外す必要がなく、多くの症例に適応できることからも、確実に歯を動かせるのは大きなメリットでしょう。
こどものワイヤー矯正のデメリット
こどものワイヤー矯正のデメリットは、以下のとおりです。
・痛みや違和感が出やすい
・食事や歯磨きがしづらい
・矯正装置が目立つ
それぞれ解説します。
痛みや違和感が出やすい
ワイヤー矯正は、痛みや違和感が出やすいです。特に、最初に装置を装着するときやワイヤーを調整するときなどには、痛みが出やすいでしょう。
また、歯の表面、もしくは裏面にブラケットを装着するため、違和感が出やすく、装着したブラケットによって口内に傷がつくこともあります。
食事や歯磨きがしづらい
ワイヤー矯正の装置は取り外しができないため、食事や歯磨きがしづらい点もデメリットです。食べカスを取り除くのが難しく、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスを使い分け、口の中をきれいに保つ必要があります。
また、硬いものや粘り気のあるものは避けるなど、食事制限も伴うのです。
矯正装置が目立つ
歯の表側にブラケットとワイヤーを装着する表側矯正の場合、矯正装置が目立ちます。矯正装置が目立つことで他人の目が気になる方もいるでしょう。特に思春期のお子さまにとって、矯正装置が目立つことは、大きなデメリットといえます。
こどものワイヤー矯正で治療できる歯並び
こどものワイヤー矯正で治療できる歯並びは、以下のとおりです。
・叢生・八重歯
・上顎前突(出っ歯)
・空隙歯列(すきっ歯)
それぞれ解説します。
叢生・八重歯
ワイヤー矯正では、叢生や八重歯の治療が可能です。
叢生とは、重なり合うように歯が生えていることをいいます。歯が大きい、または顎の骨が小さいことで、すべての歯がきれいに並ばない状態です。犬歯が前方に飛び出している八重歯も、叢生の一つとされています。
ワイヤー矯正によって、歯をきれいに並べるスペースを作り、歯並びを整えるのです。
上顎前突(出っ歯)
上顎前突、いわゆる出っ歯もワイヤー矯正で治療できます。
上顎前突とは、下の前歯よりも上の前歯が突出している状態です。見た目の問題だけでなく、食事の際に前歯で噛み切れないといった影響も考えられます。また、状況によっては口が閉じづらいケースもあるでしょう。
上顎前突は、歯だけではなく、上顎全体が前に出ているタイプもあります。上顎全体が前に出ている場合には、手術が検討されることもあるでしょう。
空隙歯列(すきっ歯)
空隙歯列、いわゆるすきっ歯もワイヤー矯正で治療できます。
空隙歯列とは、歯と歯の間にすき間がある状態です。見た目への影響のほか、発音のしづらさも問題となることがあります。歯が小さい・歯が存在していないといった先天的な原因と、おしゃぶりや舌の癖などの後天的な原因によって空隙歯列になるのです。
こどものワイヤー矯正の種類
こどものワイヤー矯正には、主に以下の3種類があります。
・表側矯正
・裏側矯正(リンガル矯正)
・ハーフリンガル矯正
それぞれ解説します。
表側矯正
表側矯正とは、その名のとおり歯の表面にブラケットとワイヤーを取り付ける方法です。ワイヤー矯正のなかで、最も一般的な方法だといえます。
矯正装置が目立つ点はデメリットですが、比較的費用が安く、幅広い症例に適応できるという点はメリットといえるでしょう。
裏側矯正(リンガル矯正)
裏側矯正はリンガル矯正とも呼ばれ、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付ける方法です。
歯の裏側に矯正装置を装着するため目立ちにくい点はメリットですが、表側矯正に比べて費用が高額な点はデメリットといえるでしょう。また、難易度が高いため、対応可能な歯科医院が限られています。
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正は、上の歯は裏側に、下の歯は表側に矯正装置を取り付ける方法です。
上の歯を裏側矯正にすることで目立ちにくく、下の歯を表側矯正にすることで費用を抑えるという特徴があります。ハーフリンガル矯正も難易度が高いため、対応可能な歯科医院は限られるのです。
こどものワイヤー矯正の期間
こどものワイヤー矯正の期間は、1年半~3年程度です。
最初にカウンセリングや精密検査を行うほか、虫歯などがあれば矯正治療を始める前に優先して治療を行います。ワイヤー矯正を開始してからは1か月に1回のペースで通院し、お子さまの歯並びの状態の確認やワイヤーの調整を行う必要があります。
また、歯並びがきれいに整い、矯正装置が外れたら治療が終了というわけではありません。整えた歯並びを固定するための保定期間が必要です。保定期間中はリテーナーという保定装置を装着し、歯が後戻りするのを防がなくてはなりません。保定期間は、1~2年程度です。
こどものワイヤー矯正の費用
こどものワイヤー矯正の費用は歯並びの状態や治療法によって異なりますが、700,000~1,000,000円程度が相場とされています。
小児矯正の場合、乳歯と永久歯が混在している時期の1期治療では300,000~500,000円程度、永久歯が生えそろった時期の2期治療では400,000~500,000円程度が相場です。
ただし、歯科医院によって費用は異なるため、気になる方は一度歯科医院に相談するとよいでしょう。
まとめ
今回は、小児矯正におけるワイヤー矯正のメリットとデメリットについて解説しました。
こどものワイヤー矯正は、歯並びを整えるための治療法の一つです。メリットとして、矯正装置を取り外す必要がない・さまざまな症例に適応できる・効率よく歯を移動できるといった点が挙げられます。
一方で、痛みや違和感がある・食事や歯磨きがしづらい・矯正装置が目立つという点はデメリットといえるでしょう。
こどものワイヤー矯正の費用は、歯並びの状態や治療法などによって異なりますが、一般的には700,000~1,000,000円程度が相場です。小児矯正にはさまざまな方法があるため、気になる方は、一度歯科医院で相談するとよいでしょう。
小児矯正を検討されている方は、名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。