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子供のお口の機能
お子様のお口の機能が大切な理由
正しい機能が健康を支える
子供のお口の機能は、食べる、飲み込む、話すといった基本的な行動だけでなく、全身の健康や成長に大きな影響を与えます。適切な口腔機能の発達は、噛む力や発音の明瞭さに寄与し、将来の歯並びや顔貌にも関係します。
成長期における早期対応がカギ
成長期の子供は骨や筋肉が柔軟で、矯正やトレーニングが効果的に行えます。この時期に正しい指導を行うことで、口腔機能の改善や予防が期待できます。
お子さんのお口の機能で見逃してはいけないサイン
- 噛む力が弱い、または咀嚼が少ない
- 発音が不明瞭である
- 食事中に食べ物をこぼしやすい
- 食事の際、くちゃくちゃ音を立てる
- お口ぽっかん、口呼吸が続いている
当院での口腔機能発達不全症への取り組み
当院では、専門的な診断と治療を通じて、子供たちが適切な口腔機能を発達させられるよう支援しています。
個別診断と治療プラン
お子様お一人ひとりの症状や状態に応じて、詳細な診断を行い、適切な治療プランをご提案します。これにより、成長期の特性を活かしながら、効果的なサポートを実現します。
口腔筋機能療法(MFT)の実施
舌や口周りの筋肉を鍛えるトレーニングを通じて、発音や咀嚼の問題を改善します。楽しく取り組めるエクササイズを通じて、自然な形での機能回復を目指します。
生活習慣改善のサポート
正しい姿勢、鼻呼吸の習慣化、バランスの取れた食事の提案を行います。日々の生活に小さな工夫を取り入れることで、口腔機能の健全な発達を促します。
定期的なフォローアップ
治療後も定期健診を通じて、口腔機能の発達を見守ります。必要に応じて治療内容の調整を行い、長期的なサポートを提供します。
安心の治療環境
当院では、優しく丁寧な対応を心がけており、お子さまがリラックスして診療を受けられる環境を整えています。初めての治療でも安心してお越しいただけます。
赤ちゃんの頃からお口のトレーニングを
妊娠中から始まる正しい姿勢
妊娠期に母体の姿勢が崩れると、赤ちゃんにも悪影響を及ぼします。次のポイントを意識して、正しい姿勢を保ちましょう。
- 背筋をまっすぐにする
- 片足重心を避ける
哺乳で鍛えるお口の筋肉
哺乳は赤ちゃんのお口の周りの筋肉を鍛える大切なトレーニングです。吸啜機能を発達させることで、正しい飲み込み方を習得し、将来の歯並び予防につながります。
授乳時の姿勢のポイント
- お母様が楽な姿勢
- 赤ちゃんが乳首を加えやすい角度
- 乳輪が隠れるほどしっかり吸い付かせる
離乳食の正しい与え方
スプーンを赤ちゃんのお口に真っ直ぐ入れ、水平に引くことで、自ら唇を閉じて食べる力を養えます。
口育とは
口育とは
近年、子供たちの口腔機能低下が問題視されており、口育が注目を集めています。口育は、お子様の口腔機能を健全に育てることを目的とした取り組みです。「食べる・飲み込む・呼吸する」といった基本的な機能を正常に発達させることで、お子様の全身の健康や成長に寄与します。
口育の重要性
栄養吸収を促進
噛む力を育て、消化吸収を向上させます。
顎の発育サポート
舌の正しい位置や鼻呼吸を習慣化し、歯並びや顔立ちに良い影響を与えます。
全身の健康を維持
鼻呼吸で感染症リスクを軽減し、成長ホルモンの分泌を促します。
口育の具体的な取り組み
よく噛む習慣の形成
顎の発達を促し、歯並びを整えます。
舌の正しい位置習得
舌の位置が歯並びや発音に影響します。
鼻呼吸の習慣化
健康的な呼吸習慣を促進します。
口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症とは、「食べる・話す・飲み込む」といった基本的な口腔の働きが十分に発達していない状態を指します。これは明確な障害ではなく、環境や個人の要因によって機能が十分に発達していない段階といえます。この状態を放置すると、全身の健康や社会的な発達に影響を及ぼす可能性があります。
口腔機能発達不全症の主な特徴
- 食事中に食べ物が口からこぼれる
- 噛む力が弱く、硬いものを避ける
- 発音が不明瞭で滑舌が悪い
- 口呼吸が習慣化している
- ぽかんと口を開けたままにしている
口腔機能発達不全症の原因
悪習慣の影響
口腔機能発達不全症の原因の多くは、幼少期に形成された生活習慣に関連しています。次のような悪習慣が口腔機能に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 口呼吸→口周りの筋肉の発達を妨げる
- 指しゃぶり→歯並びや顎の発達を阻害
- 頬杖や舌を突き出す癖→顎の成長や歯列に影響
環境要因と食事
柔らかい食べ物ばかりを摂取することや、食事中に正しい姿勢を保たないことも、口腔機能の発達に悪影響を与えます。特に現代の食生活では、硬いものを噛む機会が減少しており、これが顎や口周りの筋肉の未発達につながっています。
口腔機能発達不全症の診断と治療
診断方法
口腔機能発達不全症は、専門家による診断が必要です。
視診 | 歯並びや舌の動きを確認 |
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機能検査 | 発音や噛む力を測定 |
問診 | 生活習慣や食事内容を把握 |
主な治療方法
口腔筋機能 療法(MFT) |
MFTは、口周りの筋肉や舌を鍛えるトレーニングです。正しい舌の位置や発音方法を習得し、食事や発声の機能を向上させます。 |
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歯列矯正 | 歯並びや噛み合わせの問題がある場合は、矯正治療を行うことがあります。これにより、食事のしやすさや発音の明瞭さが改善されます。 |
言語療法 | 発音や言語能力の向上が必要な場合、言語療法士による専門的な指導が有効です。 |
生活習慣 の改善 |
鼻呼吸を促すトレーニングや、硬いものを噛む食事の導入、正しい姿勢を維持するための指導が行われます。 |
口腔機能発達不全症の予防
正しい姿勢の維持
食事中や日常生活で正しい姿勢を保つことが、口腔機能の正常な発達を促進します。背筋を伸ばし、顎を引いて座ることで、舌や口の筋肉を正しく使うことができます。
鼻呼吸の習慣化
口呼吸を防ぎ、舌を正しい位置に置く習慣をつけることが重要です。鼻呼吸を促進するためのエクササイズや環境の改善が推奨されます。
バランスの良い食事
カルシウムやタンパク質を多く含む栄養価の高い食事を心がけるとともに、硬い食材を適度に取り入れることで、咀嚼力の向上を目指します。
定期的な歯科健診
口腔機能発達不全症の早期発見と予防には、歯科健診が欠かせません。専門家によるアドバイスを受けることで、効果的な予防策を講じることが可能です。
子供のいびき
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)は、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりすることで、体が低酸素状態になる病気です。この状態が続くと、体全体に深刻な影響を及ぼします。血中の酸素濃度が下がることで、心臓への負担が増え、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞のリスクが高まるほか、糖尿病や高脂血症といった合併症の可能性もあります。
小児におけるSASの特徴
成人の診断基準では、「10秒以上の呼吸停止が一晩に30回以上、または1時間に5回以上」とされますが、小児では「短時間の無呼吸が2回以上あれば診断可能」となります。これは、小児が成人よりも呼吸回数が多く、短い無呼吸でも高度の低酸素血症を引き起こすリスクが高いためです。
小児の睡眠時無呼吸症候群の原因
気道の閉塞が主な原因
小児の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の多くは、気道が塞がれることで発生します。具体的な要因には以下のものがあります。
扁桃腺やアデノイドの肥大
扁桃腺やアデノイドが大きくなると気道を狭くし、呼吸が妨げられます。鼻閉やアレルギー性鼻炎
鼻が詰まることで鼻呼吸が難しくなり、口呼吸が習慣化します。肥満
脂肪が気道周辺を圧迫し、呼吸を阻害します。歯並びや顎の発育との関連性
歯並びや顎の発育もSASに深く関係しています。
下顎が小さい場合や噛み合わせが深い場合
舌が後方に押され、気道が狭くなりやすくなります。上顎前突(出っ歯)や開咬
口を閉じにくくなり、睡眠中も口呼吸が続きます。この状態が長く続くと、下顎が下がり気道がさらに狭くなります。舌の位置と習慣の影響
口呼吸が習慣化すると、舌が低い位置(低位舌)に下がります。この状態では飲み込む際に上顎に力が正しく伝わらず、顎の成長が不十分になります。その結果、歯並びが悪化し、さらにSASのリスクが高まります。
小児の睡眠時無呼吸症候群による影響
成長や発達への悪影響
SASを放置すると、成長や健康に深刻な影響を与える可能性があります。
成長ホルモンの分泌低下
睡眠不足が続くことで、成長ホルモンの分泌が減少し、成長発達が遅れる場合があります。
集中力の低下や注意多動障害
睡眠の質が悪化すると、日中の集中力が低下し、学業や生活に支障が出ることがあります。
心血管機能の問題
酸素不足が続くことで、血液循環に負担がかかり、将来的な心血管疾患のリスクが高まります。
このような症状は注意が必要
次のような症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
- 寝ている間に大きないびきをかく
- 日中に眠気や集中力の低下が見られる
- 歯ぎしりや頻繁な寝返りがある
- 口呼吸が常態化している
小児の睡眠時無呼吸症候群の治療方法
耳鼻科や小児科での治療
扁桃腺やアデノイドの肥大が原因の場合は、耳鼻咽喉科や小児科での治療が必要です。症状の重さによっては、手術を検討する場合もあります。
歯科治療と予防矯正
歯並びや口呼吸が原因である場合、歯科での治療が効果的です。
予防矯正
お口の癖を改善し、正しい顎の発育をサポートします。この方法により、歯並びの悪化を防ぎながら、気道の広さを確保します。
口腔筋機能療法(MFT)
舌や口周りの筋肉を鍛えるトレーニングを通じて、正しい呼吸や飲み込みを促進します。