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むし歯ができるのはなぜ?

2023.04.17

むし歯ができるメカニズムをご存じですか?

むし歯はある条件が揃うことで引き起こされる疾患です。むし歯ができる理由をしっかりと把握し、ポイントを抑えてむし歯のない健康なお口を維持しましょう。
こちらのページでは、むし歯ができるメカニズムとリスクごとの予防法について分かりやすくご紹介します。

カイスの輪

カイスの輪

カイスの輪とは、むし歯が「宿主条件(歯・唾液の質)」「細菌」「糖質」これら3つの要素が揃って発生することを表したものです。これに「時間」を加えて4つの要素として紹介している場合もあります。

歯や唾液の質には個人差があり、もともと弱い方はむし歯のリスクが自然と高まります。
唾液には殺菌作用や、初期むし歯を修復させる再石灰化作用など歯を守る働きがありますが、分泌量が少なかったり歯の質が弱かったりすると効果が半減してしまいます。

細菌数は、お手入れの質はもちろん、乳歯のむし歯の数や保護者のお口の環境によっても左右します。
赤ちゃんのお口のなかには、もともとむし歯菌は存在しません。同じスプーンやお箸などを共有することで菌が感染し、むし歯のリスクが発生します。保護者のお口が清潔であれば移る細菌数も少ないため、生まれる前からの予防としてご家族の歯科治療・予防が大切です。

糖質は、細菌のエサです。摂取量が多ければそれだけむし歯のリスクが高まります。

リスクごとの予防方法

宿主条件に対する対応

宿主条件は変えることが難しいと思われがちですが、そうではありません。
歯科医院では口腔環境を整えるという目的で、以下の予防や治療をおすすめしています。

フッ素やシーラント

歯の再石灰化の促進、エナメル質強化、細菌の働きを抑制する効果があるフッ素は、むし歯予防に最適です。歯の表面にサッと塗るだけでいいので、治療が難しい小さなお子様でも問題なく受けられます。
シーラントは、かみ合わせ面にある深い溝に専用の薬を詰めてむし歯を防ぐ処置です。唾液を吸う道具を使ったり、歯の表面を機械を使って磨いたりするため、処置を受けるにはお口を触られることに慣れている必要があります。

矯正治療

歯並びが整うことで歯ブラシの毛先が歯面にしっかりとあたるようになり、磨き残しが減ります。また、全体でバランスよく噛めるようになると自然と噛む回数が増えるため、唾液の分泌量の増加も期待できます。
小児矯正は12歳ごろまでと対象年齢に制限がありますが、成人矯正はむし歯や歯周病がなければ何歳からでも可能です。

細菌に対する対応

細菌をコントロールするには、質の高いお手入れを身につける必要があります。
磨き残しを防いで、清潔な環境を維持しましょう。

ブラッシング指導

歯科医院では、正しいお手入れ方法を分かりやすくお伝えしています。
歯磨きは毎日行うものですが「磨いたつもり」になっている方は、残念ながら少なくありません。知らず知らずのうちに磨き癖がついてしまい、気づかないまま続けている方が多くいます。
ブラッシング指導では、磨き癖をチェックするだけでなく、患者様にあった歯ブラシの種類をお伝えし、毛先の当て方や動かし方、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助用具の使い方まで丁寧にご説明します。
定期的に受けることで癖のない正しい磨き方が身につきますので、ぜひご利用ください。

専門家によるクリーニング PMTC

専門家によるクリーニング PMTCでは、普段落とせない歯石や着色、バイオフィルム(細菌が集まってできた透明な膜)を徹底的に落として、施術前よりも汚れがつきにくい状態に仕上げます。
むし歯だけでなく歯周病や口臭予防にも役立ちますので、ブラッシング指導と合わせてお受けください。

糖質に対する対応

むし歯菌の栄養素となる糖質は、摂取の仕方がとても大切です。ちょっとした工夫で予防が可能ですので、ぜひお試しください。

ダラダラ食べない

糖を含むものを食べると、口腔内が中性から酸性の状態へと変化します。酸性の状態が続けばそれだけむし歯の発生率が高まるため、できるだけ早く中性に戻さなくてはいけません。唾液の働きによって徐々に中性へと戻りますが、ダラダラ食べていると常に糖がある状態になるためリセットが難しくなり、むし歯のリスクが上がります。できるだけ早めに食べ終わり、歯磨きやうがいなどで食べかすを洗い流しましょう。
キャラメルやチョコレートといった粘着性の高いおやつを避けることも大切です。

代用甘味料を使用する

代表的なのが「キシリトール」です。甘さはありますが、むし歯菌の栄養素にはならないため、安心して食べられます。
エリスリトールやマルチトールなども虫歯にならない代用甘味料として人気があります。ショ糖の代わりとしてぜひお使いください。

むし歯予防について

歯や唾液の質、細菌数、糖質の摂取の仕方には個人差があり、むし歯を予防するにはリスクに合った管理が必要です。
当院では、患者様一人ひとりのお口の環境や食生活に適した予防法をご提案し、むし歯から大切な歯をお守りします。お手入れに自信がない方にも丁寧にやり方をお伝えしますので、お気軽にご相談ください。

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