歯を長く使い続けるためには、予防に特化した歯の定期検診が欠かせません。
お口トラブルの早期発見や早期治療だけでなく、清潔な状態を維持することにも役立ちます。虫歯や歯周病は悪化すると痛みをともなうだけでなく、全身疾患や妊娠トラブルを引き起こす可能性もあるため、早めに対処しましょう。
こちらのページでは、歯の定期検診が必要な理由と実際におこなう内容についてご紹介します
歯の定期検診が必要な理由
定期検診率は世界でみるとかなり大きな差があるのをご存じでしょうか。
予防歯科がすすんでいるスウェーデンでは国民の90%が定期健診を受けているのに対し、日本では6%と非常に低い水準です。この差は70歳になったときの残存歯数にも影響しており、スウェーデンでは平均で20本ですが、日本ではたったの8本というデータがあります。歯が少なくなれば噛むことが難しくなり、脳の働きや嚥下機能にも支障をきたします。
元気に長生きするためにも「歯を残すための工夫」である定期検診をご利用ください。
定期検診では、お口トラブルの早期発見・早期治療ができるため、失う前に対処可能です。
日本では国民保険が使用できるため比較的安く治療が受けられますが、それが予防を習慣化しにくい原因といっても過言ではありません。まずは「歯が耐えられる治療回数には限りがある」ということを理解することが大切です。
参考:https://www.lion-implant.jp/yobou/takokutonohikaku
定期検診でやること
歯科医院によって多少ちがいがありますが、大まかな内容や流れは以下のとおりです。
歯や粘膜、補綴物、噛み合わせの異常確認
視診や触診で、虫歯や口内炎などのできもの、不適合な詰め物・被せ物の有無、噛み合わせの異常などを調べます。器具を使って歯を触ることはありますが、基本的に痛みは発生しませんのでご安心ください。
問題がみられた場合は別の日に治療のご予約をとっていただきます。すでに痛みがでているなど急を要する場合は、クリーニングを別の日に変更して治療を優先します。
歯周病検査
プローブと呼ばれる器具を使って、歯ぐきの深さを測ります。健康な場合は1〜2mm、3mm以上になると歯周病が疑われます。5mm以内であれば歯肉炎(軽度の歯周病)、6mm以上は歯周炎(中度以上の歯周病)となり、どちらも治療が必要です。
歯ぐきの出血や排膿の有無、動揺度、汚れの付着具合なども合わせて調べます。
レントゲン検査
レントゲン検査は必要な場合にのみおこなう検査です。
初診であればお口全体を確認できる「パノラマレントゲン」を、虫歯の進行度や歯の内部の状態を詳しく調べる場合は、部分的に確認できる「デンタルレントゲン」を撮影します。
歯科用レントゲンは被ばくの影響はほとんどないといわれていますが、念のため妊娠中の方への撮影は控えさせていただきます。
クリーニング
普段のお手入れでは落とせない歯石や着色、バイオフィルム(細菌が集まってできた透明な膜)を器具や機械を使って除去します。
歯石やバイオフィルムは、虫歯や歯周病といったお口トラブルの主な原因であるため、定期的な除去がおすすめです。着色は病的な問題はありませんが、清潔なイメージが崩れる可能性があります。市販のホワイトニングでは歯の表面を傷つける恐れがあるため、歯科医院で安全に除去しましょう。
使用する機械はパワーの調節が可能ですので、お痛みを感じたら我慢せずにお申しつけください
ブラッシング指導
汚れの付着が多かった方や、お口の中の状態をみて歯磨きのやり方を改善すべきと判断した場合は、ブラッシング指導をおこなっております。
患者様の歯並びや状態にあった正しい磨き方を分かりやすくお伝えしますので、お手入れが苦手な方でも安心です。汚れの除去率が上がり、磨き癖の改善にも役立ちます。定期的に受けることで質の高いお手入れが維持しやすくなるでしょう。
デンタルフロスや歯間ブラシといった補助用具の使い方についてもお伝えしておりますので、苦手な方はお気軽にご相談ください。
フッ素塗布
虫歯予防の一環として、お子様を中心にフッ素塗布をおこなっております。
フッ素には、エナメル質の再石灰化(自然修復)を促す力や、エナメル質を強化する力があり、乳歯の虫歯予防として最適です。継続することでより効果が高まりますので、ぜひ定期検診でお受けください
いつまでもおいしく食べるため
自分の歯を一生使い続けるには、予防が欠かせません。お口トラブルの多くはある程度進行しないと自覚症状がでないため、注意が必要です。悪くなっていないことを確認するのが定期検診であり、継続することでその効果を得られます。
当院では、患者様のご年齢やお口の状態に合わせてオーダーメイド式の予防をご提供しており、無駄な処置はいたしません。最小限の負担でお口の健康を守れます。
快適な生活を続けるためにも「痛みを感じてからの通院」ではなく「予防のための通院」を、ぜひご家族全員で習慣化してください。