こんにちは。名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックです。
子どもがすきっ歯になっていても「子ども本人が気にしていないから」と放置している保護者の方もいるのではないでしょうか。子どものすきっ歯の多くは成長の過程によるものなので、問題ないことがほとんどです。
しかし、先天的な要因や生活習慣が原因ですきっ歯になっている場合は、なるべく早く治療を受けたほうがよいでしょう。すきっ歯を放置することで、子どもの心身の成長に悪影響を及ぼすことがあるからです。
この記事では、子どものすきっ歯を放置するリスクと治療法について解説します。
すきっ歯とは?
すきっ歯とは、歯と歯の間に余分な隙間がある歯並びのことです。子どもがすきっ歯になっていると、歯並びが悪いのでは?と心配になる保護者の方が多いのではないでしょうか。
しかし、乳歯だけが生えている4~6歳ごろは、一時的にすきっ歯になるといわれています。永久歯は乳歯よりも一回り大きいため、生え変わりの時期はむしろ隙間が必要といえます。
反対に、乳歯の時にすきっ歯でなければ、永久歯の生えるスペースが足りずガタガタした歯並びや出っ歯になるといわれているため注意が必要です。
また、永久歯へと生え変わる8~10歳ごろも、上の前歯がすきっ歯になりやすいといわれています。この場合も、はじめはすきっ歯にで、2番目の歯や犬歯が生え変われば自然と隙間は閉じることが多いです。
ただし、子どもの成長の過程でなく、先天的な原因や生活習慣などによってすきっ歯になっている場合、矯正治療が必要になるかもしれません。子どものすきっ歯が気になった場合は、一度歯科医院を受診して確認してもらうと良いでしょう。
子どもがすきっ歯になる原因とは?
先述した通り、子どもがすきっ歯になっていても成長の過程によるものであれば問題ありません。
しかし、先天的な要因や生活習慣などですきっ歯になっている場合は、治療が必要になるでしょう。ここでは、子どもがすきっ歯になる原因について解説します。
口腔習癖
以下のような口腔習癖があると、すきっ歯になることがあります。
・指しゃぶり
・口呼吸
・ポカン口
・舌で前歯を押す癖
指を強く吸う指しゃぶりは、長期間続けると歯が外側に押し出されすきっ歯や出っ歯の原因になります。指しゃぶりは安心感を求めて行う子どもが多いですが、3歳を過ぎたあたりから自然となくなるといわれています。
4歳を超えてもやめられないようであれば、すきっ歯になるリスクがありますので注意が必要です。
また、口呼吸やポカン口、舌癖なども、すきっ歯に影響を与えることがあります。口呼吸やポカン口は、舌の位置が低かったりお口周りの筋肉が正しく使われていなかったりすることが原因です。舌や筋肉を正しく使えていないと歯並びが乱れるでしょう。
他にも、舌で前歯を押したり、舌を突き出して飲みこんだりする癖があると、前歯に力がかかり、すきっ歯になることがあります。
過剰歯(かじょうし)
乳歯は20本、永久歯は28本(親知らずを入れると32本)ですが、これよりも多く生えている歯を過剰歯といいます。過剰歯は歯茎の中に埋まったまま生えてこないことも多く、これにより本来生えるべき位置に永久歯が萌出できないことがあるのです。
過剰歯は上の前歯に多いといわれるので、過剰歯が原因で前歯がすきっ歯になることがあるでしょう。
先天性欠損や矮小歯(わいしょうし)
生まれつき歯が少ないことを先天性欠損、歯のサイズが小さいことを矮小歯といいます。歯の本数が少なかったり、歯が小さかったりしても顎のサイズは変わらないので、すきっ歯になるのです。
歯のサイズに対して顎が大きすぎる
歯のサイズに対して顎が大きすぎると、歯と歯の間に余分な隙間ができすきっ歯になることがあります。顎のサイズに対して歯が大きすぎる場合は、出っ歯やガタガタした歯並びになる可能性が高いでしょう。
子どものすきっ歯の原因が歯と顎のアンバランスさである場合、お口周りの筋肉を鍛えるトレーニングと矯正治療で顎のバランスを整える必要があります。
上唇小帯が長い
上の前歯の歯茎部分にあるヒダのことを、上唇小帯(じょうしんしょうたい)といいます。上唇小帯は赤ちゃんのころは太く長いですが、成長とともに小さくなります。
上唇小帯が長すぎたり縮小しなかったりすると、永久歯の邪魔になってすきっ歯になることがあります。
噛み合わせが悪い
正常な噛み合わせは、上の前歯が下の前歯を2~3mm程度覆っている状態です。噛み合わせが深すぎる過蓋咬合などの場合、歯に負荷がかかりすきっ歯になることがあります。
虫歯などで本来抜けるタイミングよりも早く乳歯を失うと、スペースを埋めようと歯が移動してすきっ歯になることもあります。
子どものすきっ歯は放置しないほうがいい?
子どもがすきっ歯になっていても「子ども本人が気にしていないから」と放置する保護者の方もいるのではないでしょうか。
しかし、子どものすきっ歯の原因によっては、子どもの心身の成長に影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。ここでは、子どものすきっ歯を放置するリスクを解説します。
虫歯や歯周病のリスクが高くなる
すきっ歯で歯と歯の間に余分な隙間が空くことで、食べかすが詰まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。虫歯や歯周病は歯を失う2大原因といわれているので、将来的に歯の寿命を縮めることにもつながるのです。
子どもの歯を守るためには、なるべく早くすきっ歯を治療するのがよいでしょう。
滑舌が悪くなる
歯と歯の間から空気が漏れることで、滑舌が悪くなりやすいといわれています。特に、サ行やタ行などは発音障害が出やすいでしょう。
「人前で話すのが嫌」「聞き取ってもらえないから話したくない」など、すきっ歯が原因で子どもの心身の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
噛み合わせの悪化
余分な隙間が空いていることから、すきっ歯を放置すると噛み合わせが悪化しやすいといわれています。特に、前歯がすきっ歯になっている場合、噛み切る動きがしにくいことで奥歯や顎関節に負担がかかるでしょう。
また、全体的な噛み合わせの悪化により、十分な咀嚼ができず消化器官に負担がかかることもあります。
見た目へのコンプレックス
見えやすい前歯がすきっ歯になっている場合、手で口元を隠したり人前に立つのを嫌がったり、積極性が失われる可能性があります。滑舌の悪さも影響し、人前で話せなくなることもあるでしょう。
子どものすきっ歯はどのように治療する?
子どもがすきっ歯になっていても、子どもの成長に伴う一時的なものであれば問題ありません。
ただし、隙間が大きすぎる場合や永久歯が生え揃ってもすきっ歯の場合、治療が必要です。ここでは、すきっ歯の原因ごとの治療法について解説します。
口腔習癖が原因の場合
指しゃぶりや口呼吸、ポカン口、舌癖などが原因ですきっ歯になっている場合、まずはこれらの癖を改善する必要があります。お口周りの筋肉を鍛えるMFT(口腔筋機能トレーニング)を受けることで、口腔習癖を改善できるでしょう。
先天性欠損が原因の場合
通常は乳歯が抜けた後に永久歯が生えてきますが、先天性欠損の場合は乳歯が抜けるとすきっ歯になります。そのため、まずはできる限り乳歯が長持ちするように定期的にケアして、レントゲン撮影などで経過観察を行います。
乳歯が抜けた後は、矯正治療で隙間を埋めたりブリッジやインプラント、義歯などですきっ歯を改善したりするのが一般的です。それぞれの治療法にメリット・デメリットがありますので、歯科医師と相談しながら検討しましょう。
矮小歯が原因の場合
矮小歯が原因ですきっ歯になっている場合、矯正治療や補綴治療(詰め物や被せ物)で歯の隙間を埋めるのが一般的です。
レジンや被せ物ですきっ歯を改善する場合、早期にすきっ歯を改善できますが健康な歯を削らなくてはいけません。また、経年劣化により着色したり虫歯になったりすることもあります。
矯正治療は費用がかかりますが、歯を削ることなく全体的な歯並びや噛み合わせを整えられることがメリットです。
過剰歯や埋伏歯が原因の場合
過剰歯や埋伏歯によってすきっ歯になっている場合、抜歯することですきっ歯を改善できます。邪魔な歯がなくなることで自然とすきっ歯が改善する場合もありますが、抜歯後にすきっ歯が改善しない場合は矯正治療が必要になるでしょう。
上唇小帯が原因の場合
上唇小帯が原因ですきっ歯になっている場合、邪魔になっている上唇小帯を切除する必要があります。成長とともに自然とすきっ歯が改善される場合もありますが、外科処置の後に矯正治療が必要になることが多いでしょう。
噛み合わせが原因の場合
過蓋咬合などの噛み合わせが原因ですきっ歯になっている場合、矯正治療が必要です。小児矯正の装置はワイヤー矯正やマウスピース矯正などさまざまありますが、お口の状態によって選択する治療法は異なります。
まとめ
乳歯の時期や永久歯へと生え変わる時期は、一時的にすきっ歯になるといわれています。永久歯は乳歯よりも一回り大きいため、乳歯がすきっ歯でなければ永久歯の歯並びが悪くなるからです。
しかし、子どもの成長の過程でなく、先天的な原因や生活習慣などによってすきっ歯になっている場合、矯正治療が必要になる場合もあります。子どものすきっ歯を放置していると、見た目や発音、口内環境の悪化から、子どもの心身の成長に悪影響を及ぼすかもしれません。
子どものすきっ歯は放置せず、なるべく早く歯科医院を受診するようにしましょう。
こどものすきっ歯の治療を検討されている方は、名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。