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治療前に知っておきたい!インビザライン・ファーストの適応条件とは?

こんにちは。名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックです。

インビザライン・ファーストとは、乳歯から永久歯に生え変わるこどもを対象とした、マウスピース矯正です。薄く透明なマウスピースを使用するため、装置が目立たず治療ができることから人気を集めています。

しかし、インビザライン・ファーストには適応条件があることをご存じでしょうか。対象年齢は612歳の成長期でのこどもとされていますが、ほかにも条件があるのです。

この記事では、インビザライン・ファーストの適応条件について詳しく解説します。インビザライン・ファーストのメリット・デメリットもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インビザライン・ファーストとは?

インビザライン・ファーストとは、乳歯から永久歯に生え変わるこどもを対象としたマウスピース矯正です。薄く透明なマウスピースを12022時間装着し、約1週間ごとに交換して治療をすすめます。

小児矯正は、永久歯を並べる土台となる顎の成長を促す1期治療と、永久歯の歯並びを整える2期治療に分けられます。通常、目的によって矯正装置をかえる必要がありますが、インビザライン・ファーストは顎の成長を促しながら歯並びを整えられることが特徴です。

インビザライン・ファーストの適応条件

インビザライン・ファーストの対象年齢は、乳歯と永久歯が両方生えている混合歯列期の612歳ごろとされています。

しかし、生え変わりの時期や顎の骨の成長速度には個人差があるため、身体年齢だけで治療が可能かを判断することはありません。具体的には、以下の条件を満たす必要があります。

・第一大臼歯が萌出している
・切歯のうち少なくとも2歯が2/3以上萌出している
・少なくとも3/4顎に乳歯(C,D,E)または未萌出の永久歯(3,4,5)が2歯以上ある

それぞれ詳しく解説します。

第一大臼歯が萌出している

第一大臼歯とは、永久歯の中で一番初めに生えてくる大臼歯のことをいいます。また、萌出(ほうしゅつ)とは、歯が生えている状態のことをいいます。

つまり、インビザライン・ファーストの1つ目の条件は、永久歯の奥歯が生えていることです。

切歯のうち少なくとも2歯が2/3以上萌出している

前歯のこと切歯(せっし)といい、1番目の前歯(切歯)と2番目の前歯(側切歯)の上下で8本生えています。インビザライン・ファーストの2つ目の適応条件は、上下の前歯のうち少なくとも2本がほとんど生えていることです。

少なくとも3/4顎に乳歯(C,D,E)または未萌出の永久歯(3,4,5)が2歯以上ある

未萌出(みほうしゅつ)とは、まだ歯が生えておらず、歯茎に埋まった状態です。3/4顎は、歯列を左上・右上・左下・右下の4つに分けたうちの3つということになります。

3つ目の条件は、少なくとも歯列の3/4以上に乳歯(C,D,E)が残っている状態、もしくは永久歯(3,4,5)が歯茎に埋まった状態であることです。生え変わりが完了していないと考えると良いでしょう。

全ての歯の生え変わりが完了すると治療できないため、インビザライン・ファーストを検討している場合は、早い時期から歯科を受診しておくとよいでしょう。

インビザライン・ファーストのメリット

インビザライン・ファーストのメリットは、以下の5つです。

透明なので目立たない

薄く透明なマウスピースを使用するインビザライン・ファーストは、矯正治療中の見た目が気になりません。ワイヤー矯正の場合、金属の装置を歯の表面に固定するため口元が目立ち、口を開けて笑ったり人前に立ったりすることを避けるケースもあります。

しかし、インビザライン・ファーストのマウスピースは装着していることがわかりにくいです。矯正治療にストレスを感じにくいでしょう。

虫歯や歯周病のリスクが低い

マウスピースを取り外しできるため、すみずみまで歯磨きできることから虫歯や歯周病になるリスクが低いです。固定式のワイヤー矯正は、食べかすが詰まりやすく歯磨きがしにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高いでしょう。

特に、乳歯は虫歯になりやすいです。放置すると永久歯の歯並びに悪影響を及ぼすこともあります。

インビザライン・ファーストは食事や歯磨きの邪魔にならないため、虫歯・歯周病のリスクを下げられるでしょう。また、約1週間ごとにマウスピースを交換するため、清潔な装置を使い続けられます。

スポーツなどの制限がない

インビザライン・ファーストで使用するマウスピースは薄く、ワイヤー矯正のようにデコボコしていないため違和感が少ないといえます。スポーツや楽器演奏など、クラブ活動や授業、普段の遊びの邪魔にならず、日常生活に制限はありません。

装置が邪魔にならず普段通りに過ごせることは、お子様にとって大きなメリットといえるでしょう。

抜歯を回避できる

こどものうちに矯正治療を始めることで、将来的に抜歯せずに歯並びが整う可能性があります。

小児矯正では、1期治療で永久歯を並べる土台となる顎を広げ、2期治療で永久歯の歯並びを整えます。2期治療だけでも歯並びは整うものの、歯を並べるスペースがない場合には抜歯が必要になります。

インビザライン・ファーストでは、顎の成長を促しながら歯並びも整えられます。2期治療が必要になったとしても、永久歯を並べる土台が整えられているため、スムーズに進むでしょう。

適切な時期にインビザライン・ファーストを開始することで、健康な歯を抜かずに歯並びを整えられる可能性が高まります。

2期治療の期間を短縮できる

インビザライン・ファーストで顎の成長を促し、正しい位置に永久歯が並ぶようコントロールできれば、2期治療をスムーズにすすめられます。2期治療が予定よりも早く終了したり、症例によっては2期治療自体が必要なかったりすることもあるのです。

インビザライン・ファーストのデメリット

インビザライン・ファーストにはさまざまなメリットがあるものの、デメリットも存在します。

歯並びによっては治療できない

インビザライン・ファーストの適応条件を満たしていても、以下のような歯並びの場合治療できないことがあります。

・歯並びの乱れが重度のケース
・顎の成長に問題があるケース
・先天性欠損のケース

適応条件を満たしていても、歯並びの乱れが重度のケースは治療できません。例えば、重度の出っ歯や叢生など、本来歯が並ぶ位置から大きく外れた歯並びなどが挙げられます。また、顎の成長に問題がある受け口などは、外科的治療が必要になるでしょう。他にも、生まれつき歯が少ない先天性欠損にも適応できません。

インビザライン・ファーストで治療できるかどうかは、歯科医師が判断します。

治療開始のタイミングが限られている

インビザライン・ファーストには適応条件があるため、治療開始のタイミングが限られています。インビザライン・ファーストでの治療を希望しても、すでに永久歯が生え揃っている場合は適応できません。

また、お子様によってベストな治療のタイミング、方法は異なるので、歯科医師と相談しながら決める必要があるでしょう。

インビザライン・ファーストの注意点

インビザライン・ファーストの注意点は、以下のとおりです。

マウスピースの装着時間を守る必要がある

インビザライン・ファーストでは、マウスピースを12022時間装着する必要があります。これよりも装着時間が短ければ、治療がうまく進まないでしょう。

マウスピースの装着時間を管理できたかどうかが、治療の仕上がりを左右します。お子様だけで装着時間を管理するのは難しいので、保護者の方の協力が必要です。

後戻りすることがある

インビザライン・ファーストの治療後は、保定装置を装着しなければなりません。定められた期間装着しなければ、後戻りすることがあります。

インビザライン・ファーストに限らず、矯正治療後は保定期間に移行します。保定期間とは、保定装置を装着して歯が元の位置に戻ることを防ぐ期間です。

治療が終わってある程度歯並びが整うと、保定装置の必要性を疑問に感じるかもしれません。

しかし、歯が再び乱れることを防ぐためには非常に重要な期間です。必ず歯科医師の指示に従って保定装置を装着しましょう。

まとめ

インビザライン・ファーストは、612歳の混合歯列期のこどもを対象にした矯正治療です。

しかし、治療できるかどうかを年齢だけで判断することはありません。3つの適応条件を満たさなければ、適応されないのです。

適応条件に当てはまっていても、治療できない場合もあります。歯並びの乱れが重度のケースや顎の成長に問題があるケース、先天性欠損などは難しいでしょう。

インビザライン・ファーストを検討されている方は、名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。