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むし歯の進行度と治療方法①

こんにちは。名古屋市中区新栄の歯科医院 みさとデンタルクリニックです。

今日はむし歯の進行度のおはなしです。
多くの方が、歯科医院でお口の中を見てもらった時に「むし歯がありますね」と言われた経験があると思います。
その時に決まって歯医者はむし歯の程度、つまり進行度について話すと思います。
「まだ小さいから、削ってつめましょう。」とか「むし歯が大きいから神経をとらないとならないですよ」とか。
つまりむし歯の進行度を診断して、治療方針を決めているわけです。

ここで診断の基準となるのはむし歯菌に侵されてしまった部分と歯の知覚を支配している歯髄とよばれる組織との距離です。

上の図は永久歯の大臼歯の断面です。口の中に見えている歯の白い部分をエナメル質と呼びます。

CO、C1:むし歯がエナメル質内にとどまっている状態

歯のエナメル質というのは人間の身体の中で最も硬い組織です。このエナメル質が、むし歯菌が出す酸で溶かされることからむし歯が始まります。

C Oの段階のむし歯は、肉眼では白濁し白っぽく見えます。C1まで進行すると、エナメル質が溶け出してざらざらになった部分に着色が起こり黒く見えることもあります。奥歯の溝に黒い線があるけどこれってむし歯ですか?とよく聞かれます。

CO・C1:経過観察します

基本的には経過観察をします。経過観察というのは、「大丈夫だからもういいよ」と放っておくことではありません。先ほども申し上げた通り全てのむし歯はCOから始まるのです。放っておけばむし歯は進行していきます。歯科医院での定期的なケアとおうちでのセルフケアの徹底が重要です

みさとデンタルクリニックでは、CO、C1の段階では、むし歯の原因となる汚れの染め出しを行い、ご自分のお口の中のどこに汚れが残っているのかをご理解していただくことから始めます。そして、ご自分で毎日しっかりと汚れが取れるように指導させて頂き、セルフケアの徹底を図ります。またフッ素はむし歯の進行を止めるのに有効ですので、歯科医院で使用する高濃度のフッ素、おうちで使用する低濃度のフッ素の使用をおすすめしております。

C2:むし歯が象牙質に入り込んだ状態

エナメル質の下には、象牙質という黄色っぽい色をした層があります。象牙質はエナメル質に比べて柔らかい層ですので、むし歯の進行が進みます。そしてこの状態は歯の内部でむし歯が進行しますので、ご自分でお口の中を見ても気づくことはできません。そして象牙質内の深い部位に進むまで、痛い、しみるという自覚症状もないことがほとんどです。

C2:むし歯の部分を取り除き、欠損部分を充填(つめもの)で補います。

C2の段階になると削る処置が必要になります。ここで重要なことは

むし歯の部分だけを取り除き、歯の神経を残す

という点です。この段階では歯の神経はまだ残っています。歯の神経を失うことはその歯の寿命を大幅に縮めることになります。この時点で適切に治療をし、C3へと進行させないということがとても重要となります。C2の治療は、歯の寿命を決める治療となるといえます。

みさとデンタルクリニックでは、まずはむし歯の部分だけを正確に取るということに全力を尽くします。歯を拡大して見ながら、少しずつむし歯の部分だけが削れる道具でむし歯をとり除いていきます。う蝕検知液というむし歯だけが染まる薬を使って、むし歯菌に侵された部分を確認しながらむし歯をだけを取り除きます。神経近くになってきたら、器具を手動の道具に持ち替えてとにかくむし歯以外のところを削らないように進めます。

神経を残せた場合は、むし歯を取り除いた歯を人工物をつめて本来の歯の形に修復していきます。残った歯の形態により修復の方法が変わります。

充填物(歯のつめもの)の種類

修復の範囲が比較的小さい場合は、レジンという歯医者が使うプラスチックを、歯に詰めて、光でかためて修復します。歯に直接材料を詰めるので直接法と言います。この場合、1日で治療が完了します。レジンは歯の色をしていますので精密に詰めれば審美的にも満足していただけます。

修復する範囲が大きいときは、お口の中の型を取って模型を作り、その模型の上で詰め物を作ります。間接的法といいます。特におく歯の歯と歯の間(隣接面)を修復しなければならない場合はこの方法を選択する場合が多いです。模型にしてお口の中を再現すると実際には見られない方向からも歯を見ることができます。そのため歯に合った詰め物が作りやすくなるからです。型を取り、オーダーメイドで製作するため2〜3回の治療回数がかかります。

治療方法の選択と同じくらい大切なことが、つめる材料の材質です。

詰め物の種類によって次にまたむし歯にしてしまう(二次カリエス)のリスクが変わってきます。

歯は治療が完了したとしても元に戻ったわけではありません。C2のむし歯治療をした歯をまたむし歯にしてしまうとどうなるでしょうか。C3へ進行し歯の神経を失うことになります。

2次カリエスのリスクを下げる材料はセラミックです。

セラミックは①汚れがつきにくい②変形しない③歯に接着する材料

だからです。

詰め物の材質の特徴については過去にもこのブログに書いていますので、読んでいただけたら幸いです。

ご自分のお口の中にどんな治療がされているのかわからないという方はまず検査をお勧めします。しばらく歯医者に行ってないなという方は、まずご自分のお口の中を知ることからはじめましょう。

みさとデンタルクリニックでは、初診時の検査後、歯科衛生士の直筆であなたの現在のお口の中の状況を説明した紙をお渡ししております。ぜひご活用ください。