こんにちは。名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックです。
根管治療は長期にわたることが多く、中断してしまう方も珍しくありません。治療中に違和感がなくなったり、忙しくなったりすると、通院を先延ばしにすることもあるでしょう。
しかし、根管治療を中断すると、思わぬトラブルを招く可能性があります。
この記事では、根管治療を中断したときのリスクや、中断しやすいタイミングなどについて解説します。根管治療を予定している方や、治療中の方は、参考にしてください。
目次
根管治療とは
根管治療は、虫歯が神経にまで進行した場合や、根の先まで炎症を起こしている場合に、根管内の感染源を取り除いて消毒する治療です。根管の形状は人によって異なり、非常に細く枝分かれしているため、目視で確認できない根管内を専門的な機器を用いて正確に治療する必要があります。
治療ではまず、虫歯部分や古い詰め物を除去し、根管内を洗浄・消毒します。その後、薬剤を詰めて密閉し、最終的に土台をたてて被せ物で補強します。根管治療中は、消毒のために1週間~2週間の間隔を空けて複数回通院する必要があります。
根管治療を中断してはいけない理由
根管治療は、1回の通院で終わることは基本的にありません。複数回通院する必要がありますが「中断したい」と思うこともあるのではないでしょうか。
ここでは、根管治療を中断してはいけない理由について解説していきます。
感染が再発・悪化する
根管治療の中断によって最も大きな問題となるのが、感染の再発や悪化でしょう。根管治療を進めて歯の状態が改善されてきていても、中断したことで細菌が増殖する可能性があります。炎症が悪化して重症化すると、歯茎や顎の骨にも悪影響が及ぶかもしれません。
口臭が発生する
根管治療を中断するということは、根管内に感染や汚染組織、細菌が残っているということです。この影響で炎症が悪化すると、嫌なにおいを放つことがあります。
細菌が繁殖し続けると、出血や排膿などの症状が現れ、さらに口臭が強くなる可能性も考えられます。口臭の悪化は、人間関係にも影響するため注意しましょう。
治療が長期化しやすい
もともと、根管治療は1回で完了することはほとんどなく、数回にわたって治療が必要となるのが一般的です。根管内が非常に複雑な構造をしていて、細く曲がっていたり分岐したりしている根管を丁寧に清掃・消毒するためには時間がかかるためです。
また、根管内を完全に無菌状態にするためには、専用の器具や薬剤を用いて、慎重に段階的な処置を行う必要があります。
しかし、治療を中断すると、無菌状態に近づいていたとしても細菌が増殖する可能性があります。この場合、根管内の清掃・消毒を一からやり直すことになり、治療が長期化していきます。
歯を残せなくなる可能性がある
中断すると、虫歯が根の先まで広がるリスクがあります。これによって状態が悪化すると、強い痛みが出たり歯の根の先に膿が溜まったりすることがあります。また、細菌が血液に入り込んで全身に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
ここまで状態が悪化すると、歯を残すのは困難になります。根管治療を実施しても改善が見込めないと判断された場合は、抜歯することになります。
根管治療を中断しやすいのはどんなとき?
根管治療は通常複数回の通院を要するため、意識しないと患者さま自身が中断しやすい治療ともいえます。患者さまが根管治療を中断しやすいタイミングがあるので、事前に把握しておきましょう。
ここでは、根管治療を中断しやすい具体的なケースや理由を紹介します。
歯の痛みがなくなったとき
根管治療は複数回の通院が必要と伝えてきましたが、神経を除去した時点で痛みを感じなくなるため、初回の処置で治ったと勘違いする方が少なくありません。特に、受診前まで強い痛みが続いていた場合などは、状態が改善されると治療が終わったと感じることがあります。
このため、通う必要がないと判断して中断してしまうのです。
しかし、1回の治療で根管内の細菌を完全に根絶することは難しく、数回にわたって洗浄と消毒を繰り返す必要があります。根管治療中は、次回の来院日を指示されるので、指示に従って受診を続けましょう。
仕事や育児が忙しいとき
根管治療を受けている場合、通常1週間に1回の頻度で受診しなければなりません。また、根管の清掃・消毒には、3〜5回ほどの通院が必要になることが多いです。つまり、1〜2ヶ月ほどの期間が必要ということになります。
この間に、お仕事や家事・育児が忙しくなり、治療を中断してしまう方も少なくありません。
治療への恐怖心があるとき
歯の中に器具を入れて処置をするため、痛みに対する不安や恐怖心が強い患者さまも多いです。「とりあえず強い痛みがなくなればいい」と考えて受診する方もいるのではないでしょうか。
この場合、最後まで治療が終わっていなかったとしても、ある程度痛みが軽減された段階で通院を辞めてしまうことがあります。
過去の歯科治療のトラウマなどから、歯科恐怖症になっている患者さまもいるでしょう。
しかし、現代ではさまざまな方法で恐怖心を和らげながら治療を進められるようになっています。歯科医師と相談しながら、無理のないペースで治療を進めましょう。
治療期間が長いと感じたとき
お伝えしたとおり、根管治療は1回の通院で終わる治療ではありません。通常は数回にわたって洗浄・消毒を行い、最終的に被せ物を装着するまでを含めると2~6か月かかることもあります。
治療回数の多さ、治療期間の長さに嫌気が差し、通院意欲が下がって治療を途中でやめる人もいます。
経済的な負担が大きくなったとき
根管治療は複数回にわたって通院が必要で、そのたびに治療費や交通費がかかることから、経済的な負担が増したときにも中断のリスクが高まります。特に、保険適用外の治療やマイクロスコープを使った精密治療など、高度な処置を選んでいる場合は医療費が高額になる傾向があります。
治療の中断を防ぐには
根管治療を完了させるためには、患者様の協力が不可欠です。治療を計画どおりに進めるためには、以下のことを心がけてみましょう。
治療の重要性を理解する
なぜ根管治療が必要なのか、治療を完了させるメリットは何なのかを知ることは、治療のモチベーション維持につながります。納得できるまで歯科医師に質問し、不安点や疑問点を解消しておきましょう。
治療期間の目安や通院スケジュールなども、事前に確認しておくと治療意欲の低下を防ぎやすくなります。
自分に合った治療スケジュールを設定する
仕事や子育てなどで多忙な方は、無理のない治療計画を立てることが大切です。予約が取りやすいクリニックを選んだり、治療スケジュールをカレンダーに記録しておくことで、忘れるリスクを減らせるでしょう。
生活スタイルを見直す
飲酒の習慣や夜更かし、ストレスは、口内環境を悪化させます。治療の進行にも影響を与える可能性があるので、規則正しい生活を意識しましょう。
まとめ
根管治療を中断すると、虫歯の再発や治療期間の長期化などの問題が生じる恐れがあります。最悪の場合には、抜歯を避けられなくなることもあるでしょう。
根管治療は複数回の通院が必要なため、中断したくなることもあるかもしれません。
しかし、患者さまの歯を残すために非常に重要な治療です。歯科医師としっかりコミュニケーションをとりながら、最後まで通うようにしましょう。
根管治療を検討されている方は、名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。
当院では、患者さまが何を望まれているか、何に悩まれているかを一番に考えて治療を行っています。また、機能面だけでなく、見た目も理想的な口元を目指します。
一般歯科だけでなく、矯正治療やホワイトニング、予防歯科などにも力を入れております。当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
