こんにちは。名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックです。
PMTCという言葉をご存じでしょうか。歯科医院で耳にしたことがあるけれど、具体的にどのようなことを行うものなのかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
では、PMTCとはどのようなことを行うものなのでしょうか。また、どのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は、PMTCとは何か解説します。PMTCの流れやメリット・デメリットについても解説しますので、お口の健康を守りたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
PMTCとは何か
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略で、歯科医師や歯科衛生士などの専門家が専用の器具を使って行う歯のクリーニングです。
日常の歯磨きでは落としきれない歯垢(細菌の塊)や、歯垢が成熟して膜状に形成されたバイオフィルムなどの汚れを徹底的に除去し、口腔内を清潔に保ちます。
とくに歯と歯の間や歯と歯茎の境目など、磨き残しが起こりやすい部分を丁寧にケアすることで、細菌の繁殖を抑え、歯茎の炎症や口臭の改善にもつながります。
虫歯や歯周病の原因となる細菌を効率的に除去できるため、PMTCは予防に非常に効果的です。定期的に施術を受けることで、口腔内の清潔を保ち、歯や歯ぐきの健康を長期的に維持することが可能になります。
PMTCの流れと施術内容
まずはカウンセリングで、患者さんのお口の中の状態や既往歴、アレルギーの有無、現在の歯磨き習慣などを詳しく確認します。このとき、歯の着色や歯石の付着状況などもチェックし、施術の必要性などについても説明します。
その後、専用の器具とペーストを用いて歯面や歯間、歯肉縁下(歯茎の縁よりも下に位置する部分)1〜2mmに付着したバイオフィルムを徹底的に除去します。施術時間は30分から60分程度が目安です。
施術後はフッ素塗布などで歯質強化を行い、最後に自宅でのケア方法や注意点についての指導が行われる場合もあります。
使用される器具と薬剤
施術に使用される主な器具には、回転式のブラシやラバーカップ、微粒子入りの研磨ペーストなどがあります。研磨ペーストは、歯の表面を傷つけないように粒子の大きさや濃度に厳密な基準が設けられており、安全性にも十分配慮されています。
これらの器具は、歯垢やバイオフィルムを効果的に除去するために設計されており、患者さんの口腔内の状態(着色の程度や歯ぐき・歯の健康状態など)に応じて使い分けられます。
また、使用する研磨ペーストの量や器具の圧力も細かく調整されるため、快適かつ安全に施術を受けることができます。
PMTCのメリット
ここでは、PMTCをすることで得られるメリットをご紹介します。
虫歯や歯周病の予防につながる
PMTCでは、歯の表面や歯と歯茎の境目に付着した歯垢やバイオフィルムを徹底的に除去します。これにより、細菌の繁殖を抑え、虫歯や歯周病の発症リスクを大幅に低減することができます。
特に歯周ポケット内の汚れはセルフケアでは取り除きにくいため、専門的なクリーニングが効果的です。
歯の着色や口臭の改善につながる
コーヒーや紅茶、喫煙などによる着色汚れも、PMTCによって除去が可能です。歯の表面がツルツルになり、見た目の印象が明るくなるだけでなく、口臭の原因となる汚れも取り除かれるため、口腔内の爽快感が得られます。
汚れが付着しにくくなる
PMTCでは、専用の研磨剤やブラシを使って歯の表面を磨き上げるため、施術後は歯の表面が滑らかになり、汚れが再付着しにくくなります。これにより、日常の歯磨きの効果も高まり、口腔内を清潔な状態に保ちやすくなります。
痛みが少なく快適に受けられる
PMTCは予防を目的とした処置であり、治療ではないため、痛みを感じることはほとんどありません。リラックスした状態で受けられるため、歯科治療に不安を感じる方にも推奨されます。
施術後の爽快感から、定期的に受けることを楽しみにされる患者さんも多くいらっしゃいます。
定期的な口腔チェックにつながる
PMTCは、単なるクリーニングにとどまらず、口腔内の状態を定期的にチェックする機会にもなります。歯茎の炎症や虫歯の初期症状などを早期に発見できるため、トラブルの予防や早期治療につながります。
PMTCのデメリット
虫歯や歯周病の予防に効果的な処置ですが、いくつかの注意点やデメリットも存在します。ここでは、PMTCを受ける前に知っておきたいポイントをご紹介します。
保険適用外であることが多い
PMTCは予防を目的とした処置であるため、健康保険が適用されないケースがほとんどです。そのため、費用は全額自己負担となります。歯科医院によって料金設定は異なり、施術内容や所要時間によっても変動するため、事前に確認しておくことが大切です。
一度の施術で効果が持続するわけではない
PMTCの効果は永続的ではなく、一度の施術で長期間持続するわけではありません。定期的な施術が必要となるため、継続的な通院を負担に感じる方もいるかもしれません。
汚れが再付着するまでの期間は、生活習慣やセルフケアの質によって異なります。歯磨きの方法、食生活、唾液の分泌量などが影響し、数週間〜数か月で再び汚れが蓄積される可能性があります。
特に、喫煙者やコーヒー・紅茶を頻繁に摂取する方は、着色の再付着が早まる傾向があり、PMTCの効果が短期間で薄れることもあります。
歯の状態によっては施術できない場合がある
歯や歯茎に炎症がある場合や、知覚過敏が強い方などは、PMTCの施術が一時的に制限されることがあります。また、器具の使用により一時的に違和感を覚えることもあるため、事前に歯科医師と相談し、口腔内の状態を確認してから施術を受けることが望ましいです。
PMTCの費用
PMTCは、予防を目的とした処置であるため、原則として健康保険の適用外です。保険制度は虫歯や歯周病などのような疾患の治療を対象としているため、口腔内が健康な状態で受けるPMTCは自費扱いとなります。
費用は、1回あたりおおよそ3,000円から1万円程度が相場ですが、歯科医院の設備や地域、施術内容によって差があります。
ただし、歯周病の治療中に歯科医師が必要と判断した場合や、歯石除去と併せて行う場合には一部保険適用の対象となるケースもあります。保険が適用されるかどうかは、歯科医師の診断によっても異なるため、事前に相談することが大切です。
PMTCの施術頻度
PMTCの施術間隔の目安は、一般的に3〜4か月ごとが推奨されています。これは、歯垢や歯石が再び蓄積し始める時期を考慮したものです。
ただし、虫歯や歯周病のリスクが高い方や、矯正治療中の方は1〜2か月ごとの通院が必要になる場合もあります。
逆に、口腔内の状態が良好な方は半年に1回程度でも十分なことがあります。自分に合った間隔を知るためには、歯科医師の診断やアドバイスを受けることが大切です。
PMTCが向いている人・向いていない人
PMTCはすべての人に同じように適しているわけではありません。ここでは、PMTCが向いている人・向いていない人の特徴をご紹介します。
PMTCが向いている人
歯垢やバイオフィルムを徹底的に除去することで、口腔内の細菌の繁殖を抑え、予防効果が高まるため、虫歯や歯周病を予防したい方には向いている処置かもしれません。特に歯磨きが苦手な方や、磨き残しが多いと感じる方には、プロのケアで補うことができます。
また、コーヒー・紅茶・喫煙などによる着色汚れや口臭の原因となる汚れを除去し、爽快感と清潔感が得られるため、歯の着色や口臭が気になる方にも向いているでしょう。
さらに、矯正治療中の方や過去の治療で被せ物を装着されている方も、装置や被せ物の周囲に汚れが溜まりやすいため、専門的なクリーニングが効果的です。
PMTCが向いていない人
一方で、以下のような方はPMTCの施術が制限される場合があります。
PMTCは予防処置であり、進行した歯周病にはスケーリングやルートプレーニングなどの治療が必要です。そのため、歯周病が進行している方には向いていません。
また、研磨や器具の振動によって痛みを感じることがあるため、知覚過敏が強い方は事前に歯科医師と相談が必要です。同様に、口腔内に炎症や傷がある方も施術によって症状が悪化する可能性があるため、炎症が治まってからの対応が望ましいでしょう。
さらにPMTCは基本的に自費診療であるため、費用面での負担を避けたい方には不向きな場合があります。
まとめ
PMTCとは、歯科医院で専用の機器や薬剤を用いて行う専門的な歯のクリーニングです。自宅での歯磨きでは落としきれない歯垢やバイオフィルム、着色汚れなどを効果的に除去できるのが特徴です。
歯の表面だけでなく歯ブラシの届きにくい部分まで丁寧に清掃するため、虫歯や歯周病の予防、口臭の改善、さらには審美的な効果も期待できます。
ただし、自費診療であるため、費用が自己負担となるケースが多く、定期的な通院が必要になる点はデメリットといえるでしょう。
まずは歯科医師に相談し、自分に合ったケア方法を見つけることが大切です。
お口の健康を守りたいとお考えの方は、名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。
当院では、患者さまが何を望まれているか、何に悩まれているかを一番に考えて治療を行っています。また、機能面だけでなく、見た目も理想的な口元を目指します。
一般歯科だけでなく、矯正治療やホワイトニング、予防歯科などにも力を入れております。当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。