こんにちは。名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックです。
虫歯を治療する際の機械の音や痛みによる不安から「むし歯ができたけど、自然治癒させたい」と思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、進行した虫歯は自然治癒できません。痛みや違和感を覚えたら、早めに歯科医院を受診することが悪化を防ぐために重要です。
今回は、むし歯を確かめる方法に加え、放置するリスクについて詳しく解説します。むし歯のメカニズムやむし歯の治療内容、費用についてもまとめているので、むし歯が気になる方はぜひ参考にしてみてください。
虫歯のメカニズム
虫歯は口の中にいる細菌が原因で起こる感染症で、様々な要因が重なって発症します。虫歯の発症に大きく関わっているのが、糖質（ショ糖）・原因菌（ミュータンス菌）・歯質（エナメル質・象牙質）です。
口腔内には多くの細菌が存在しています。虫歯の原因菌であるミュータンス菌が糖質を取り込み、歯の表面に粘着性のあるプラーク（歯垢）を形成します。放置すると、プラークの中でミュータンス菌がさらに増殖し、糖質を餌にして酸が生成されるのです。
生成された酸は、歯のエナメル質を溶かします。これを脱灰といい、酸によって溶かされたエナメル質を修復する働きを、再石灰化といいます。通常、脱灰と再石灰化のサイクルを繰り返しますが、糖分の摂取回数が多いと再石灰化が間に合わず脱灰が進行します。
エナメル質の内側にある象牙質まで溶かされて虫歯が進行すると、冷たい飲食物がしみたり痛みを感じたりするようになります。さらに進行して歯髄（神経）まで達すると、激しい痛みを引き起こすでしょう。
虫歯か確かめる方法
「自分でむし歯かどうかを確かめる方法はないのだろうか？」と考える方もいるでしょう。虫歯をご自身で確かめる方法としては、痛みの有無や歯の見た目の変化などが挙げられます。
ただし、ご自身の確認だけでは虫歯かどうかを診断できません。見た目でわからない場合もあるので、ご自身の確認のみで判断せず歯科医院を受診することが大切です。
以下で、ご自身で虫歯を確かめる方法をご紹介します。当てはまる症状がある場合は虫歯の可能性があるので、早めに歯科医院を受診してください。
歯に痛みがないか確認する
むし歯の一般的なサインが痛みです。むし歯が進行すると、歯や歯茎に痛みや違和感を覚えます。また、飲食物の温度に対する過敏な反応も、むし歯のサインの可能性があるでしょう。
これらの症状は、エナメル質が薄くなって歯が刺激に敏感になっていることを示しています。特に、熱い食べ物を摂取した時に痛みを感じる場合は、虫歯が大きく進行している可能性が高いので注意が必要です。
歯の見た目の変化を確認する
歯の見た目の変化を確認することも、むし歯を見つける方法の一つです。むし歯の初期段階では、歯の表面に白っぽい斑点が現れることがあります。茶色や黒ずんで見える部分は、虫歯が進行している可能性が高いでしょう。
歯の色の変化を早期に見つけてすぐに適切な処置を行えば、むし歯の進行を防げます。また、歯に穴が開いていたり歯の形状に変化が見られたりする場合も、むし歯のサインです。
セルフチェックを行う際は、市販のデンタルミラーなどを使用すると視認しやすいでしょう。
虫歯が自然治癒することはある？
初期段階のむし歯であれば、自然治癒することもあります。上述したとおり、虫歯は脱灰が進むことによって引き起こされます。唾液にはカルシウムやリンが豊富に含まれており、唾液が歯を修復する再石灰化を促すことによって、初期の虫歯なら自然治癒が可能でしょう。
しかし、虫歯が進行していると自然治癒は望めません。歯の痛みを感じなくなったため「むし歯が治った」と思う方がいますが、むし歯により歯の神経が壊死したサインで危険な状態です。
また、初期のむし歯は自然治癒することがありますが、虫歯の進行状況の判断はご自身では難しいでしょう。自己判断して受診しなければ重症化する恐れもあるので、歯に異変を感じた際は早めに歯科医院を受診して適切な処置を受けることが重要です。
虫歯を放置するリスク
むし歯を放置すると、歯だけでなく身体にも悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、むし歯を放置した際に考えられるリスクについて詳しく解説します。
激しい痛みが生じる
むし歯を放置すると、激しい痛みが生じる可能性があります。初期段階ではしみる程度の違和感ですが、むし歯が神経まで到達すると激しい痛みが引き起こされるでしょう。
重症化している可能性があるので、激しい痛みを感じたらなるべく早く歯科医院を受診してください。
膿疱による異臭
歯の神経が壊死すると、根管内に細菌が増えて根の先に膿の袋ができます。膿の袋が大きくなると歯茎に白いおできのようなものができ、そこから膿が出て口臭の原因になるでしょう。
膿の出口は、できたり潰れてなくなったりします。不衛生なだけでなく、口内炎になったりほかの病気の原因になったりすることもあるので、注意が必要です。
抜歯が必要になる
むし歯を放置すると、治療が困難になる可能性が高いでしょう。処置を行っても改善できないと判断された場合は抜歯が必要になり、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで失った歯を補わなければなりません。
補綴治療後は定期的なメンテナンスが必要になり、インプラントの場合は高額な治療費がかかるでしょう。
副鼻腔炎になる
むし歯を放置することで細菌が副鼻腔に入り込むと、副鼻腔炎を引き起こす場合があります。副鼻腔炎になると、頬の痛み・頭痛・眼痛・鼻詰まり・鼻水などの症状が現れるでしょう。
副鼻腔炎の治療には時間がかかります。2〜3か月ほど抗生剤を飲み続けなければならないこともあります。
顎の骨へ影響がでる
むし歯により弱った歯茎から顎の骨にも細菌が入り込むと、顎骨骨髄炎が引き起こされることがあります。顎骨骨髄炎とは、顎の骨の内側にある骨髄に炎症が生じる病気です。
症状には高熱・倦怠感・痛み・発疹などが挙げられます。抗生物質の投与が必要で、慢性化すると外科的な処置が必要になることもあるでしょう。
全身に影響を及ぼす
虫歯を放置すると、虫歯菌が血液に入り込んで全身に広がって様々な疾患を引き起こす可能性があります。たとえば、心臓に細菌が入り込むと心筋梗塞に、脳へ入り込むと脳梗塞になるなど、さまざまな重篤症状を引き起こす可能性があるのです。
少しでも異常を感じたら、歯科医師に相談しましょう。
初期虫歯の治療内容と費用目安
むし歯の治療費用は、進行度によって異なります。初期のむし歯治療にかかる費用は、保険適用の3割負担で1,500円〜3,000円程度が相場です。
初期のむし歯は、歯の表面のエナメル質が溶かされた程度で痛みはほとんどありません。むし歯の部分を削り、詰め物をして治療は完了です。初期のむし歯の場合、1回の治療で終了するケースが多いでしょう。
重度の虫歯の治療内容と費用目安
初期のむし歯に比べ、むし歯が重度になるほど治療は困難になり費用も高額になります。歯髄（神経）まで達した重度のむし歯の治療にかかる費用は、保険適用の3割負担で7,000円〜2万円程度が一般的です。
むし歯が神経まで達すると、強い痛みを感じるようになります。この段階のむし歯の場合、神経を取り除いたり根管内を綺麗にしたりする根管治療を行えば、自分の歯を残せるでしょう。治療期間は2〜6か月程度と長く、費用も一般的な虫歯治療に比べ高額になります。
また、根管治療などを行っても改善が望めない場合は抜歯が必要です。この場合、保険適用の3割負担で3,000円〜7,000円程度の費用がかかります。
抜歯した後は、入れ歯やブリッジ、インプラント治療を行い失った歯を補います。そのため、抜歯した場合は歯を補うための治療の費用も加算されます。
まとめ
むし歯は、ごく初期の段階では自然治癒が望めますが、多くの場合は自然治癒しない病気です。最悪のケースでは、全身に悪影響を及ぼして死亡のリスクも伴います。そのため、むし歯は進行する前に早期発見・治療することが重要なのです。
むし歯の初期段階では自覚症状がほとんどないことから、気づいたらむし歯が進行しているケースも多いです。すでにむし歯が進行している場合は、できるだけ早く歯科医院を受診して治療を始めましょう。
虫歯の治療を検討されている方は、名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。
当院では、患者さまが何を望まれているか、何に悩まれているかを一番に考えて治療を行っています。また、機能面だけでなく、見た目も理想的な口元を目指します。
一般歯科だけでなく、矯正治療やホワイトニング、予防歯科などにも力を入れております。当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。