こんにちは。名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックです。
審美性の高い歯の治療法として、セラミックとジルコニアがあります。名前を聞いたことがある方はいるかもしれませんが、どのような違いがあるのかご存じでしょうか。
今回は、セラミックとジルコニアの違いについて詳しく解説します。セラミックとジルコニアの違いを知り、ご自身に合った治療法を選択しましょう。
セラミックとは?
セラミックとは、陶材を用いて作られた被せ物や詰め物です。審美性・耐久性に優れており、ご自身の歯と見分けがつかないほど自然に仕上がることから、歯の治療にセラミックを選ぶ方が増えています。
セラミックの特徴やメリット、デメリットを確認しましょう。
セラミックの特徴
セラミックの特徴は、以下のとおりです。
天然歯のような透明感や艶感がある
セラミックは陶材を用いて作られるため、天然歯の透明感や艶感を再現できます。ご自身の歯と区別がつかないほど、自然に仕上がるでしょう。
耐久性があり長持ちしやすい
セラミックに用いられる陶材は壊れにくく耐久性に優れているため、長持ちしやすいといわれています。銀歯やプラスチック素材の寿命は約5年ですが、セラミックの場合は7〜10年程度使用できることが多いです。
金属アレルギーの心配がない
セラミックは陶材で金属が使われていないため、金属アレルギーの心配がありません。
歯科分野においては、被せ物や詰め物から溶け出した金属イオンが歯肉や口腔粘膜を通して全身に回ることで、炎症や痒みなどの症状を引き起こすことがあります。口腔内には症状が出ず、手足の皮膚に症状が出ることも多く、補綴物によるアレルギーだと気づけず放置されることもあります。
セラミックは金属ではないので、金属アレルギーの心配なく使用を続けられるのです。
経年劣化による破損・変色が起こりにくい
セラミックは陶材を用いており、陶器と同じように水分を吸収しにくいです。そのため、黄ばみにくく白い歯を保ち続けることができます。
また、強い衝撃を加えない限りは、破損することもほとんどありません。
セラミックのメリット
セラミックのメリットは、以下のとおりです。
自然な見た目になる
セラミックで治療をする際は、シェードガイドとよばれる色見本を使用して、ご自身の歯と馴染むように色を調整します。天然歯と区別がつかないほどの自然な見た目を手に入れられるでしょう。
歯茎が変色しない
銀歯などの金属を詰め物・被せ物に使用すると、歯茎が変色することがあります。長年使用すると金属イオンが溶け出し、歯茎が黒ずむのです。
セラミックは金属を使用していないため、歯茎が変色しません。
ただし、被せ物の土台となるコアが金属の場合は、歯茎の変色を引き起こす可能性があります。
虫歯や歯周病になりにくい
セラミックは、経年劣化による破損・変形が起こりにくいです。そのため、歯との間にすき間が生まれにくいです。
また、セラミックの素材である陶材は表面が滑らかなので、歯垢がつきにくいとされています。歯垢や細菌が溜まりにくいので、虫歯や歯周病になりにくいのです。
セラミックのデメリット
セラミックのデメリットは、以下のとおりです。
保険適用外のため費用が高い
セラミックは保険適用外の治療のため、費用が高額になります。歯の場所によって異なりますが、1本あたりの費用は被せ物で80,000〜200,000円程度、詰め物の場合は40,000〜80,000円程度です。
ただし、費用は歯科医院によって異なります。
衝撃に弱い
セラミックは陶材のため、強い衝撃が加わると割れることがあります。
陶器の食器をイメージするとわかりやすいでしょう。耐久性はありますが、落とすなどして衝撃が加わると割れることがあります。
歯ぎしりの癖がある方や噛む力の強い奥歯に使用した場合、強い衝撃によって割れることがあるのです。
ジルコニアとは?
ジルコニアとは、人工ダイヤモンドといわれるほどの強度を持つ素材で、耐久性に優れています。ジルコニアの特徴やメリット、デメリットを確認しましょう。
ジルコニアの特徴
ジルコニアの特徴は、以下のとおりです。
強度が高い
ジルコニアは、歯科治療に用いられるセラミック素材のなかでも高い強度と優れた耐久性を持っています。頑丈で壊れにくいため、噛む力が強い奥歯や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方
でも使用できるでしょう。
自然な見た目を再現できる
ジルコニアの素材は白く、天然歯の色調の再現性に優れています。天然歯の色調を再現できるため、違和感なく仕上がるでしょう。
金属アレルギーの心配がない
ジルコニアは金属ではありません。長期間使用しても、金属アレルギーの心配がありません。
変色しにくい
ジルコニアは汚れが付着しにくい素材のため、変色しにくいです。治療時の歯の白さを長持ちさせられるでしょう。
ジルコニアのメリット
ジルコニアのメリットは、以下のとおりです。
耐久性がある
ジルコニアは人工ダイヤモンドとよばれるほど硬く、頑丈で壊れにくいです。そのため、耐久年数は10年前後と非常に長く使えます。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方でも、長く使用できるでしょう。セラミックが割れるような衝撃を受けても、ジルコニアは割れないことが多いです。
天然歯に近い見た目に仕上がる
ジルコニアは、天然歯に近い人工歯を製作できます。自然に仕上がるので、ご自身の歯と見分けがつかないこともあるでしょう。
歯茎が変色しない
セラミックと同様に、ジルコニアは金属ではないため、溶け出した金属イオンが原因となる歯茎の変色が起こりません。美しい歯茎の色を保てることは、大きなメリットです。
ジルコニアのデメリット
ジルコニアのデメリットは、以下のとおりです。
保険適用外のため費用が高い
ジルコニアは保険適用外となり、費用が高くなります。1本あたりの費用は100,000〜180,000円ほどでしょう。
セラミックと同様に、費用は歯科医院ごとに異なります。
素材が硬く研磨しにくい
ジルコニアは非常に硬く研磨しにくいです。そのため、歯の形に合うように調整することがセラミックよりも難しいとされています。
天然歯よりも硬いので、噛み合わせる歯を傷つける可能性やすり減らす可能性があります。
歯の透明性が低い
ジルコニアは透明性が低いため、ご自身の歯の色によっては色味がうまく調整できないことがあるでしょう。セラミックと比較すると、不自然な仕上がりになる場合があります。
セラミックとジルコニアの違いを比較
セラミックとジルコニアの違いを、表にまとめました。
<セラミックとジルコニアの違い>
治療方法 | 1本あたりの 費用 |
強度 | 寿命 | 見た目 |
---|---|---|---|---|
セラミック | 80,000〜 200,000円 |
陶材のため強度は高いが、割れることがある | 約7〜10年 | 天然歯に近い透明感と艶感がある |
ジルコニア | 100,000〜180,000円 | 人工ダイヤモンドとよばれるほど強度が高い | 10年前後 | 天然歯に近い色調を再現できるが透明感はない |
セラミックとジルコニアの大きな違いは強度です。セラミックは、強い衝撃を受けると割れる可能性があります。ジルコニアは非常に硬いので割れにくいですが、噛み合う歯を傷つける可能性があるでしょう。
見た目が優れているのはセラミックといえます。より自然に仕上がる詰め物・被せ物を製作できるのはセラミックです。
ジルコニアは透明感がないため、前歯などの目立つ部分に使用すると不自然に見えるかもしれません。
費用と寿命についてはほとんど差がないでしょう。
しかし、寿命はどの程度メンテナンスを行うかに大きく依存します。適切にメンテナンスを行えば、どちらの素材も寿命より長く使える可能性があるでしょう。
メンテナンスを行わなければ、寿命よりも短いタイミングでやり直さなければならなくなります。
セラミックとジルコニアどちらを選ぶ?
セラミックとジルコニアについて解説してきました。どちらを選ぶべきなのか、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
治療する部位や求める審美性・機能性、費用などを考慮して選択するとよいでしょう。
例えば、前歯などの目立つ部分を治療する場合は、審美性に優れているセラミックのほうが適しています。噛む力が強い奥歯を治療する場合は、ジルコニアが適しているでしょう。
ご自身の口腔内の状態や歯ぎしり・食いしばりの癖の有無なども含めて、歯科医師と相談しながら適した素材を選択してください。
まとめ
歯科治療でよく耳にするセラミックとジルコニアについて、どのような素材なのか、違いは何なのかなどを解説しました。セラミックとジルコニアの違いを理解し、ご自身の治療の際の判断材料にしていただければ幸いです。
セラミックやジルコニアを検討されている方は、名古屋市中区にある、みさとデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。